2008/12/03
教科「情報」で入試をやる理由
by
菊地時夫
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posted at
2008-12-03 21:02
last modified
2008-12-04 10:22
- 情報機器が普及して「使える」人が増えているにも関わらず、「分かっている」人は増えていない。
- 分かっている人とは、情報機器のハードウェアを理解し、それを動かしているソフトウェアの働きを理解している人のことである。
- そのため、高知大学には「情報科学科」ができ、高校に教科「情報」ができたわけだが、残念なことに高校の教科「情報」では、「使う」ことで精一杯。一方、高知大学の情報科学科は「理学」の中に埋没している。
- 「情報」に入試に取り上げられるほどのメジャーな位置づけを確保することは、「使える」情報から「分かる」情報へと教科の内容を深化させることにつながり、高知大学の情報科学「コース」の存在をアピールすることにもなる。
- 現在の情報科学の基礎には、数学や物理学といった、「理学」があることは確かであるが、公理・定理の積み上げといった、数学教育の手順が完了していなければならないといったものでも、電子回路の基礎である電磁気学の知識が必ず必要といったものでもない。
- むしろ、情報・コンピュータをいじりながら、時間的余裕と能力に合わせて、数学や物理学を勉強しなおす事だって可能だ。実社会に出てしまえば、「その仕事に必要な定理の証明ができないので、仕事ができません」なんてことは許されない。
- 高校全入時代、大学も希望を問わなければ受験生全員が入学できる時代である。昔のように、エリート教育指向だけでは、学習の動機付けを維持していくことは難しい。コンピュータ操作という実学的指向と、プログラミングという知的好奇心を揺さぶる内容を兼ね備えた、「情報」という教科をもっと評価すべきである。
この項、下書きにつき、今後追加の可能性あり。
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